2017年(平成29年)第102回薬剤師試験 薬学実践問題【問286~問345】

一般問題(薬学実践問題)【病態・薬物治療、法規・制度・倫理╱実務、実務】

問286-287
65歳男性。人間ドックで血中prostate specific antigen(PSA)値の高値(30.3ng/mL)を認めた。

問286(病態・薬物治療)
一般にPSAの上昇を認める泌尿器系疾患はどれか。2つ選べ。

1 セミノーマ
2 腎細胞がん
3 前立腺肥大症
4 前立腺がん
5 膀胱がん
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問287(実務)
その後、生検の結果、腫瘤が悪性と診断されたため内分泌療法が施行され、PSA値は正常上限値以下を推移していた。しかし、6年後の受診で再度PSA値が高値となった。このため抗アンドロゲン薬を試みたが、改善が見られず、内分泌療法抵抗性が確認された。そこで、新たな薬物療法を開始することになった。
本患者に適用することになった薬物はどれか。2つ選べ。

1 シロドシン
2 ドセタキセル
3 コハク酸ソリフェナシン
4 プレドニゾロンコハク酸エステルナトリウム
5 クロルマジノン酢酸エステル
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問288-289
38歳女性。肺結核と腰痛に対して以下の薬剤を服用していた。今回、同じ薬剤が処方されたが、最近、「新聞が読みにくくなった」などの視力障害を訴えた。

(処方1)
リファンピシンカプセル150mg 1回3カプセル(1日3カプセル)
1日1回 朝食前 14日分

(処方2)
イソニアジド錠100mg 1回3錠(1日3錠)
ピラジナミド原末 1回1.5g(1日1.5g)
エタンブトール塩酸塩錠250mg 1回3錠(1日3錠)
1日1回 朝食後 14日分

(処方3)
ロキソプロフェンNa錠60mg 1回1錠
腰痛時 5回分(5錠)

問288(実務)
この視力障害との関連性が疑われる薬物はどれか。2つ選べ。

1 リファンピシン
2 イソニアジド
3 ピラジナミド
4 エタンブトール塩酸塩
5 ロキソプロフェンNa
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問289(病態・薬物治療)
本症例の病態と薬物治療に関する説明として、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 結核菌は接触感染によって伝搬する。
2 血痰の有無により、他の呼吸器感染症と鑑別できる。
3 飲み忘れなど不規則な抗結核薬の服用は、結核菌が薬剤耐性を獲得する原因となる。
4 視力障害の原因薬は、いったん中止し、視力が回復したら再開する。
5 唾液や涙液が橙赤色になることがある。
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問290-291
62歳男性。1ヶ月ほど前から息切れ、呼吸困難などの心不全症状が出現し、アルコール性心筋症との診断を受け、以下の処方により加療中である。薬剤師が現在の症状を確認すると「最近は呼吸が苦しくなることが多く、家の中で座っていれば問題ないが、少し散歩するだけでも息切れがする」との訴えがあった。

既往歴:高血圧
飲酒歴:心不全症状が出現するまで20年間の大量の飲酒歴があり、禁酒を指導されたが、現在も機会飲酒。
検査データ:左室駆出率 23%、下肢浮腫 (+)、Na 140mEq/L、K 3.6mEq/L、Cl 105mEq/L、SCr 1.0mg/dL、血圧 123/72mmHg、心拍数 62bpm(洞調律)

(処方)
1) エナラプリルマレイン酸塩錠10mg 1回1錠(1日1錠)
スピロノラクトン錠25mg 1回1錠(1日1錠)
1日1回 朝食後 14日分

2)カルベジロール錠2.5mg 1回1錠(1日2錠)
1日2回 朝夕食後 14日分

3)フロセミド錠40mg 1回1錠(1日2錠)
1日2回 朝昼食後 14日分

問290(病態・薬物治療)
この患者の病態に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 適切な治療を施しても生存率が低く予後不良である。
2 NYHA機能分類Ⅲ度(中等度~重症)の心不全症状を呈している。
3 肥大型心筋症の病態を呈している。
4 カリウムの摂取制限が推奨される。
5 治療の基本に断酒がある。
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問291(実務)
薬剤師は、現在の病態から、患者の薬物療法に関するアセスメントを行い、今後のプランを考えた。追加を推奨する薬剤として最も適切なのはどれか。1つ選べ。

1 アロプリノール
2 エポエチンアルファ
3 アテノロール
4 カンデサルタンシレキセチル
5 ジゴキシン
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問292-293
49歳男性。C型慢性肝炎の既往あり。昨年より肝硬変に起因する腹水が出現し、ループ利尿薬とアルブミン製剤が投与されていた。昨日、肝性脳症と診断され入院となり、分岐鎖アミノ酸製剤の点滴静注、ラクツロース及びカナマイシン一硫酸塩の経口投与を開始した。

問292(病態・薬物治療)
本患者において、以下の所見が認められた。肝性脳症に最も関連が深いのはどれか。2つ選べ。

1 食道静脈瘤
2 浮腫
3 黄疸
4 高アンモニア血症
5 羽ばたき振戦
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問293(実務)
本症例に用いる薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 アルブミン製剤は血漿膠質浸透圧を低下させる。
2 ループ利尿薬は血中Na⁺を上昇させる。
3 分岐鎖アミノ酸製剤はフィッシャー比を低下させる。
4 ラクツロースは消化管内のpHを低下させる。
5 カナマイシン一硫酸塩は消化管内のアンモニアの発生を抑制する。
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問294-295
29歳女性。1型糖尿病のため、インスリンを自己注射により使用していた。発熱を契機に3日前から全身倦怠感、下痢、嘔吐が始まり、これらの症状に加えて意識障害が出現したため、家族に伴われて救急外来を受診した。

身体所見:身長 160cm、体重 60kg
検査データ:血糖値 418mg/dL、血圧 110/60mmHg、尿糖 (+++)、尿中ケトン体 (++)、Na 129mEq/L、Cl 92mEq/L、pH 7.1、HCO³⁻ 8.9mEq/L

問294(病態・薬物治療)
本患者及び本症例に関する記述のうち、適切なのはどれか。2つ選べ。

1 Body mass index(BMI)が25以上の肥満である。
2 Glutamic acid decarboxylase(GAD)抗体は陽性である可能性が高い。
3 意識障害の原因は、乳酸アシドーシスである可能性が高い。
4 糖利用の低下により脂肪分解が亢進した状態にあると考えられる。
5 重症化した場合は、グリニド系薬剤の併用が推奨される。
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問295(実務)
本患者に対する処置として、適切なのはどれか。2つ選べ。

1 プレドニゾロンの点滴静注
2 ブドウ糖の静脈内注射
3 生理食塩液の点滴静注
4 インスリンの点滴静注
5 アドレナリンの筋肉注射
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問296-297
45歳女性。10年前より双極性障害で加療中。処方1の維持療法で病状は安定していたが、ここ1ヶ月で症状が悪化したため、本日新たに処方2が追加された。

(処方1)
炭酸リチウム錠200mg 1回1錠(1日2錠)
1日2回 朝夕食後 7日分

(処方2)
ラモトリギン錠25mg 1回1錠(1日1錠)
1日1回 夕食後 7日分

処方箋を受け取った薬局の薬剤師は、安全に薬物療法を実施できるよう、患者に対し注意すべき事項を伝えた。

問296(実務)
今回追加処方された薬剤の重大な副作用の初期症状の組合せとして、患者に伝えるべきことはどれか。1つ選べ。

1 皮膚の広い範囲が赤くなる、38℃以上の熱がでる、眼が充血する、唇や口の中がただれる、のどが痛む、体がだるい。
2 急に強い空腹感をおぼえる、冷や汗がでる、手足がふるえる、力の抜けた感じがする。
3 息切れがする、息苦しくなる、空咳がでる、発熱する。
4 筋肉が痛んだりこわばったりする、手足がしびれる、手足に力が入らない、尿の色が赤褐色になる。
5 眼の痛みを生じる、眼がかすむ、頭痛がする、吐き気がする。
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問297(病態・薬物治療)
この患者の薬物治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 ラモトリギンは、気分エピソードの中でも、特にうつ状態に対する効果が強い。
2 ラモトリギンが追加されたので、定期的なラモトリギンの血中濃度測定を行う必要がある。
3 炭酸リチウムの1日投与量が400mgなので、定期的な血中濃度測定を行う必要はない。
4 炭酸リチウムの中毒が疑われる際の治療には、ループ利尿薬が適している。
5 ラモトリギンが使用できない場合は、オランザピンを推奨する。
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問298-299
56歳男性。一般用医薬品を購入するため薬局を訪れた。現在使用している処方薬について薬剤師が確認したところ、持参したお薬手帳から、以下の点眼薬を使用していることが判明した。

ラタノプロスト点眼液0.005%(2.5mL/本) 1本
1回1滴 1日1回 両目点眼
カルテオロール塩酸塩点眼液2%(持続性)(2.5mL/本) 1本
1回1滴 1日1回 両目点眼
また、お薬手帳には、点眼薬による治療開始前に測定された眼圧が記載されていた。
(眼圧)右 28mmHg、左 27mmHg

問298(病態・薬物治療)
この患者の病態とその治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 この患者は正常眼圧緑内障である。
2 眼圧コントロールが不良となり視神経が高度に障害されると、その機能は薬物治療によっては回復しない。
3 ラタノプロストは、毛様体における房水の産生を抑制し眼圧を低下させる。
4 ラタノプロストの副作用に虹彩色素沈着がある。
5 カルテオロール塩酸塩は、ぶどう膜強膜流出経路からの房水の流出を促進し眼圧を低下させる。
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問299(実務)
この患者に一般用医薬品を推奨する場合、避けるべき成分はどれか。2つ選べ。

1 チキジウム臭化物
2 ジヒドロコデインリン酸塩
3 クロルフェニラミンマレイン酸塩
4 デキストロメトルファン臭化水素酸塩
5 無水カフェイン
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問300-301
62歳女性。3年前に悪性リンパ腫と診断され、R-CHOP療法が施行された。R-CHOP療法施行直前の検査で肝機能検査値に異常はなかった。R-CHOP療法4コースを終了後、定期的に通院していたが、あるときALT 742U/L、AST 1,354U/Lと上昇したため入院した。
エンテカビルの投与によりALT及びASTは低下した。本人に確認したところ、10年前の献血時にHBc抗体陽性を指摘されていたことが判明した。

問300(実務)
本症例に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。

1 本症例の悪性リンパ腫は、Hodgkinリンパ腫である。
2 ALT及びASTの上昇は悪性リンパ腫の再発に起因する可能性が高い。
3 R-CHOP療法により、肝組織が直接障害され、ALT及びASTが上昇した。
4 R-CHOP療法開始後にHBVに再感染した可能性が高い。
5 R-CHOP療法によりHBVが再活性化した可能性が高い。
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問301(病態・薬物治療)
HBVが原因のB型肝炎に関する記述として、正しいのはどれか。1つ選べ。

1 HBワクチンは感染予防には有効ではない。
2 性行為による感染はない。
3 IgM型HBc抗体は肝炎の後期に現れる。
4 初感染で自然治癒するのは半数以下である。
5 HBs抗体は肝炎の病態が終息した後に上昇する。
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問302-303
病棟の看護師より、「点滴中の患者に対し側管からブロムヘキシン塩酸塩注射剤を投与後、同一の側管より続けてフロセミド注射剤を投与してもよいか。」との問い合わせがあった。薬剤師は看護師に回答するため、両薬剤のpH変動スケールに関する情報を収集し、以下の情報を得た。

102回薬剤師国家試験一般問題(薬学実践問題)302

問302(実務)
両薬剤のpH変動スケール及び配合変化に関する記述として、適切なのはどれか。2つ選べ。

1 Aはブロムヘキシン塩酸塩、Bはフロセミドである。
2 AとBを比較すると、緩衝性の強いのはBである。
3 両薬剤が輸液ライン内で混合された場合、混合液のpHは4.7以上6.3以下となる。
4 フロセミド注射剤を先に投与し、続けてブロムヘキシン塩酸塩注射剤を投与すれば白濁は生じない。
5 両薬剤が輸液ライン内で混合されて白濁を生じる可能性が高いので、それぞれ投与前後に生理食塩液等を流す。
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問303(病態・薬物治療)
配合変化について検討するために、ブロムヘキシン塩酸塩注射剤の特徴について調査したい。医薬品インタビューフォームから入手できない情報はどれか。1つ選べ。

1 製剤の安定性に関するデータ
2 有効成分の安定性に関するデータ
3 アンプル開封後の使用期限
4 浸透圧比
5 注射液のpH
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問304-305
48歳男性。1週間前に心筋梗塞の診断により経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を施行し、ステントを留置した。梗塞部位は良好に拡張されたが、施行5日後と6日後にステント血栓症が発症した。
PCI施行後は、以下の薬剤が投与されていた。

(処方)
ロサルタンカリウム錠25mg 1回1錠(1日1錠)
ビソプロロールフマル酸塩錠0.625mg 1回1錠(1日1錠)
アスピリン腸溶錠100mg 1回1錠(1日1錠)
クロピドグレル錠75mg 1回1錠(1日l錠)
ロスバスタチンカルシウム錠5mg 1回1錠(1日1錠)
1日1回 朝食後 7日分

患者情報:脂質異常症の既往あり、喫煙 (-)、服薬アドヒアランスは良好
現在の検査データ:血圧 129/77mmHg、心拍数 65bpm、血清クレアチニン値 0.75mg/dL、BUN 25.4mg/dL、HbA1c 6.2%、K 4.5mEq/L、低密度リポタンパク質コレステロール(LDL-C) 131mg/dL、高密度リポタンパク質コレステロール(HDL-C) 42mg/dL、トリグリセリド(TG) 110mg/dL

その後、カンファレンスにおいて、ステント血栓症の原因が検討され、薬剤師に意見が求められた。薬剤師は服用中のクロピドグレル治療抵抗性の可能性を提起し、代替薬を提案した。

問304(病態・薬物治療)
クロピドグレルの治療抵抗性の原因として考えられるのはどれか。1つ選べ。

1 アスピリンとクロピドグレルの薬物相互作用
2 ロサルタンによるクロピドグレルの代謝拮抗
3 尿pHの変動によるクロピドグレルの尿細管再吸収の低下
4 クロピドグレルの代謝酵素の遺伝子多型
5 ロスバスタチンによるクロピドグレルの代謝酵素の誘導
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問305(実務)
クロピドグレルの代替薬として、以下の薬剤のうち最も適切なのはどれか。1つ選べ。

1 トラネキサム酸
2 プロタミン
3 プラスグレル
4 ワルファリン
5 メナテトレノン
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問306-307
55歳男性。喫煙歴30年(1日20本程度)。前回の薬剤服用後に、意識がもうろうとし、ふらついたという。男性が原因を知りたいと薬局を訪れた。男性が服用していた薬剤は以下のとおりである。

クロナゼパム錠1mg 1回1錠(1日3錠)
1日3回 朝昼夕食後
ニソルジピン錠10mg 1回1錠(1日1錠)
1日1回 朝食後

問306(実務)
原因を特定するための薬剤師の対応として適切でないのはどれか。1つ選べ。

1 最近、薬の服用量が変更されたかを確認した。
2 かんきつ類を食べたり、そのジュースを飲んだりしていないかを尋ねた。
3 最近、禁煙を始めたかを尋ねた。
4 残薬の確認を行った。
5 クロナゼパムの服用を一時中止するように伝えた。
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問307(法規・制度・倫理)
男性から、今回質問した事項について、知り合いの医師にも確認してみたいので、薬歴を開示して欲しいと要望があった。対応として適切でないのはどれか。1つ選べ。なお、この薬局は個人情報の保護に関する法律における個人情報取扱事業者である。

1 患者の権利や利益を害するおそれのある記述があったため、該当する部分を見えないようにして開示した。
2 薬歴の原本は渡すことはできないので、コピーして患者に渡した。
3 開示にかかった実費相当額の費用を患者に請求した。
4 薬局が定める開示手続きの方法にしたがって、開示の請求をするよう指示した。
5 薬歴の開示は薬局の義務ではないことを説明した。
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問308-309
73歳女性。感冒様症状を訴え、薬局を訪れた。薬剤師は、薬局製造販売医薬品のかぜ薬1-②を販売することにした。

薬局製剤指針に記載されているかぜ薬1-②の成分及び分量は以下のとおりである。なお、賦形剤は乳糖水和物とした。

102回薬剤師国家試験一般問題(薬学実践問題)308309
以上をとり、散剤の製法により製する。ただし、分包散剤とする。
1回量を1包1.0gとし、1日3回食後服用する。

問308(実務)
薬局製造販売医薬品であるかぜ薬1-②の調製及び販売について正しいのはどれか。2つ選べ。

1 患者の症状に合わせて成分量を増減した。
2 重量偏差試験を行った。
3 添付文書をつけなかった。
4 薬を入れた袋に患者の名前を書かなかった。
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問309(法規・制度・倫理)
この薬局で販売する薬局製造販売医薬品に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 薬局医薬品である。
2 製造販売業の許可は当該薬局の所在地を管轄する地方厚生局長が与える。
3 当該薬局の設備及び器具で製造する。
4 製造業の許可は必要としない。
5 店舗販売業者で販売することができる。
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問310-311
52歳男性。胃痛、胸やけの症状を訴え、医薬品を薬局に買いに来た。

問310(実務)
薬剤師がこの男性にすすめる医薬品として正しいのはどれか。2つ選べ。なお、表記は1回の服用量とする。( )内は1日の服用回数を示す。

1 (2回)ラニチジン塩酸塩 126mg、ケイ酸アルミン酸マグネシウム 500mg、酸化マグネシウム 200mg、水酸化アルミナマグネシウム 400mg
[第一類医薬品]

2 (3回)アズレンスルホン酸ナトリウム 6mg、L-グルタミン 900mg、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム 600mg、ロートエキス 30mg、炭酸水素ナトリウム 1800mg、重質炭酸マグネシウム 180mg、沈降炭酸カルシウム 540mg
[第二類医薬品]

3 (3回)ビフィズス菌 6mg、ラクトミン 6mg、アスコルビン酸 166.67mg、リボフラビン 2mg、ピリドキシン塩酸塩 4mg
[第三類医薬品]

4 (3回)ロートエキス3倍散 60mg、タンニン酸ベルベリン 100mg、シャクヤク乾燥エキス 24mg
[第二類医薬品]

5 (1回)赤ブドウ葉乾燥エキス混合物 450mg
[要指導医薬品]
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問311(法規・制度・倫理)
前問の医薬品に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 一般用医薬品は、要指導医薬品、第一類医薬品、第二類医薬品及び第三類医薬品に分類される。
2 要指導医薬品の適正な使用を確保できないと認められるときは、販売してはならない。
3 店舗販売業の管理者が薬剤師であれば、登録販売者も情報提供及び指導をした上で、要指導医薬品を販売することができる。
4 第一類医薬品を販売するときは、薬剤師があらかじめ、使用しようとする者の年齢、他の薬剤又は医薬品の使用の状況等を確認しなければならない。
5 第三類医薬品については、当該薬局で購入した者から相談があっても、情報提供をしなくてよい場合がある。
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問312-313
65歳男性。肝硬変にて入院となり、ラクツロースゼリーが処方された。ラクツロースゼリーを調剤すべきところを誤ってポリスチレンスルホン酸カルシウムゼリーを調剤した。病棟にて、薬剤師が気づき、服用させずに済んだ。

問312(実務)
このような事態を踏まえて、医薬品安全管理責任者が病院としての再発防止策を立てた。再発防止策として最も優先度が低いのはどれか。1つ選べ。

1 薬品棚における外観類似医薬品の配置を工夫する。
2 取り違え防止に指さし呼称を導入する。
3 調剤した薬剤師個人の責任を追及する。
4 病院内でインシデント事例の情報を共有する。
5 個人的要因を明らかにし、発生した誤りを分析する。
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問313(法規・制度・倫理)
医療事故への対応などは、医療法の医療の安全の確保に関する規定において定められている。この規定において、医療の安全を確保するための措置を講ずる義務又は責務を課されていないのはどれか。1つ選べ。

1 国
2 地方公共団体
3 病院の開設者
4 病院の管理者
5 診療所の管理者
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問314-315
麻薬診療施設である病院の病棟において、がん患者に対して生理食塩液で希釈したモルヒネ塩酸塩注射液の持続静注を行った。その後、看護師がルート周辺を確認したところ、シリンジと三方活栓の接続部から薬液が多量に漏れ出ていた。

問314(実務)
この状況において看護師から助言を求められた薬剤師の対応として、適切でないのはどれか。1つ選べ。

1 主治医に報告したかを確認する。
2 患者の痛みの状態を確認する。
3 回収した薬液は看護師2人で確認しながら廃棄をするよう伝える。
4 麻薬管理者に状況を報告したかを確認する。
5 一連の経過を記録しておくよう伝える。
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問315(法規・制度・倫理)
麻薬診療施設における麻薬の管理者に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 2人以上の麻薬施用者が診療に従事する麻薬診療施設の開設者は、当該麻薬診療施設に麻薬管理者を置かなければならない。
2 管理している麻薬を廃棄する際には、廃棄してから30日以内に厚生労働大臣に届け出なければならない。
3 麻薬の滅失や盗取等の事故が発生した場合における、麻薬管理者が行う品名及び数量等の届け出先は、厚生労働大臣である。
4 麻薬管理者は事故の届け出をした麻薬の品名及び数量を麻薬診療施設に備えた帳簿に記載しなければならない。
5 麻薬管理者の免許は、医師でなければ受けることができない。
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問316-317
漬物製造工場の野菜洗浄室で清掃中、作業員が誤って塩酸タンクを倒し、隣接した次亜塩素酸ナトリウム溶液タンクのバルブを破損した。その際、漏出した塩酸と次亜塩素酸ナトリウムが反応してガスが発生し、吸引した作業者は、激しい目の痛みと呼吸困難を訴えた。その直後、作業員は近隣の総合病院に救急搬送された。

問316(実務)
救急搬送された患者に対し、病院で行う処置として適切でないのはどれか。2つ選べ。

1 水で目及び粘膜を洗浄する。
2 EDTA(エデト酸カルシウム二ナトリウム)を投与する。
3 酸素吸入する。
4 輸液を投与する。
5 チオ硫酸ナトリウムを投与する。
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問317(法規・制度・倫理)
この漬物製造工場は、近くの薬局から劇物である塩酸と次亜塩素酸ナトリウムを購入していた。薬局及び漬物製造工場におけるこれらの劇物の取扱いに関する記述として、適切なのはどれか。2つ選べ。

1 薬局で販売するためには、毒物又は劇物の販売業(毒物劇物販売業)の登録を受けなければならない。
2 薬局で販売する場合、漬物製造工場の購入者の氏名及び住所を確認した後でなければ交付してはならない。
3 漬物製造工場の責任者は、薬局から購入した劇物の名称と数量を帳簿に記載しなければならない。
4 漬物製造工場では、貯蔵する場所に「医薬用外」及び「劇物」の文字を表示しなければならない。
5 漬物製造工場で廃棄する場合は、中和等により劇物に該当しないものにしなければならない。
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問318-319
87歳女性。寝たきり。この患者に対して発行された処方箋と残薬を、家族が薬局に持参した。

(持参した残薬の一覧)
カンデサルタンシレキセチル錠8mg 75錠
シルニジピン錠20mg 135錠
ヒドロクロロチアジド錠25mg 72錠
アトルバスタチン錠10mg 37錠
酸化マグネシウム錠250mg 232錠

(持参した処方箋の内容)
(処方1)
カンデサルタンシレキセチル錠8mg 1回1錠(1日1錠)
シルニジピン錠20mg 1回1錠(1日1錠)
ヒドロクロロチアジド錠25mg 1回1錠(1日1錠)
タモキシフェン錠20mg 1回1錠(1日1錠)
1日1回 朝食後 30日分

(処方2)
アトルバスタチン錠10mg 1回1錠(1日1錠)
1日1回 夕食後 30日分

(処方3)
酸化マグネシウム錠250mg 1回1錠(1日3錠)
1日3回 朝昼夕食後 30日分

問318(実務)
薬剤師の対応として適切でないのはどれか。2つ選べ。

1 残薬のうち品質が保たれている製品で、現在も服用している薬剤については、利用を検討した。
2 残薬の一部を返品扱いとし、使用するため薬局の在庫品にした。
3 シルニジピン錠20mgが多く残っているが、家族からの説明によると症状が安定しているようなので、医師に処方の妥当性を相談した。
4 残っている薬は、なるべく家族など他人に譲渡するなど有効活用するようにアドバイスした。
5 服用状況、体調、服用しにくい薬の有無を確認した。
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問319(法規・制度・倫理)
その後、この患者の服薬アドヒアランスを向上させるため、処方医の指示により薬剤師が患者宅を訪問した。患者の居宅で行うことができない業務はどれか。2つ選べ。

1 処方箋を受け取ること
2 薬剤を粉砕すること
3 疑義照会をすること
4 薬剤を一包化すること
5 薬剤を交付すること
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問320-321
下記の医薬品を卸売販売業者の担当者が納品に来たので、薬剤師が薬局のカウンターにおいて検収を行った。なお、薬局は、向精神薬営業者に関して別段の申し出はしていないものとする。

セレギリン塩酸塩錠2.5mg
アムロジピン錠5mg
アミオダロン塩酸塩錠100mg
メチルフェニデート塩酸塩錠10mg
フルニトラゼパム錠2mg
ペンタゾシン塩酸塩錠25mg
トリメブチンマレイン酸塩100mg(要指導医薬品)

問320(実務)
薬局における検収関連業務のうち、適切でないのはどれか。2つ選べ。

1 伝票に記載されている納品先を確認した。
2 納品された医薬品の使用期限を確認した。
3 同じ医薬品を複数購入時、製造番号が異なるものが含まれていたが受け取った。
4 法律に定められた譲受証を必要とするものはなかったので交付しなかった。
5 納品を終了した医薬品をカウンターの上に置いて、3時間後の昼休みに収納した。
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問321(法規・制度・倫理)
検収した医薬品のその後の取扱いに関する記述のうち、適切なのはどれか。1つ選べ。

1 検収した医薬品を、麻薬を保管している金庫に入れた。
2 要指導医薬品を来局者の手に取りやすい場所に陳列した。
3 毒薬に相当する医薬品を無施錠で陳列した。
4 過剰在庫となった向精神薬を向精神薬卸売業者に返品した。
5 親に頼まれて来局した小学生に毒薬を販売した。
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問322-323
68歳男性。前立腺がん患者を対象とした治験に参加している。当該患者から担当のCRC(治験コーディネータ)である薬剤師に電話があり「今朝から、お腹のあたりに真っ赤な湿疹ができている。」と連絡があった。湿疹は、この治験薬の代表的な副作用の1つで、参加同意を得る際にも説明していた。

問322(法規・制度・倫理)
CRCは、医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令(GCP省令)に治験協力者として規定されている。治験協力者について正しいのはどれか。1つ選べ。

1 治験実施計画書に氏名を記載しなければならない。
2 治験協力者となっている治験に係る治験審査委員会における審議及び採決に参加することができる。
3 治験協力者に対しては、治験責任医師によって治験内容が十分に説明される。
4 いわゆる医師主導治験の場合は、治験協力者を置くことができない。
5 説明文書を読むことができない被験者となるべき者に対する説明の立会人になることができる。
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問323(実務)
CRCの対応として誤っているのはどれか。2つ選べ。

1 男性から聴取した情報を記録する。
2 男性が受診すべきかどうかを治験責任医師に相談する。
3 重篤な有害事象と判断した場合、直ちに実施医療機関の長に報告する。
4 有害事象及びその治療が、逸脱や中止基準に該当するかどうか治験責任医師と確認する。
5 治験薬による有害事象と判断された場合、副作用被害救済制度の利用について、男性に情報提供する。
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問324-325
70歳男性。高血圧症で処方1を服用していた。ある日胸部不快感を自覚し、かかりつけのクリニックを受診した。心房細動の疑いがあることから、精査目的で市内の総合病院を紹介され受診したところ、心房細動、心不全と診断され、処方2が追加となった。

(処方1)
エナラプリルマレイン酸塩錠5mg 1回1錠(1日1錠)
1日1回 朝食後

(処方2)
カルベジロール錠2.5mg 1回1錠(1日2錠)
ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩カプセル126.83mg 1回1カプセル(1日2カプセル)
1日2回 朝夕食後
(本剤はダビガトランエテキシラートとして110mgを含有している。)

問324(実務)
処方2に含まれるダビガトランエテキシラートによる重篤な副作用である出血の回避や投与量の調節のために考慮すべき検査項目はどれか。1つ選べ。

1 血清クレアチニン値
2 AST値
3 白血球数
4 PT-INR値
5 脳性Na利尿ペプチド値
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問325(法規・制度・倫理)
重篤な副作用を回避するための確認は行われていたものの、後日、この男性に重大な副作用が発現した。
薬剤師は主治医と相談のうえ、この男性の副作用について、医薬品・医療機器等安全性情報報告制度に基づき報告することを決めた。下図は、記入途中の医薬品安全性情報報告書の一部である。この制度の説明として、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 この男性の場合、厚生労働大臣への報告期限は、発生を知った日から30日以内である。
2 添付文書などから予測できない未知の症例についても報告する。
3 患者情報のうち、アに記載された内容は、公開されることはない。
4 イの項目はすべて記入しなければならない。
5 クリニックで処方された(処方1)の薬剤も、ウに記載する。

102回薬剤師国家試験一般問題(薬学実践問題)325
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一般問題(薬学実践問題) 【実務】

問326
輸液の調製依頼があった。生理食塩液、塩化カルシウム注射液(0.5mol/L)、塩化カリウム液(1.0mol/L)、50w/v%ブドウ糖注射液及び注射用水を使って調製する時、必要量として適切な組合せはどれか。1つ選べ。
塩化ナトリウム及びブドウ糖の式量は、それぞれ、58.5及び180とする。

以下の電解質を含む輸液を調製する。

Na⁺ 77mEq
Ca²⁺ 3mEq
K⁺ 20mEq
Cl⁻ 100mEq

浸透圧を300mOsm/Lに調整し、総量を1Lとする。

102回薬剤師国家試験一般問題(薬学実践問題)326
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問327
以下のシリンジA、Bのうち、Aの使用を優先すべき操作はどれか。1つ選べ。ただし、必要に応じて注射針を用いるものとする。

102回薬剤師国家試験一般問題(薬学実践問題)327

1 抗悪性腫瘍薬のバイアルから薬液を採取する。
2 ネブライザーの薬液容器に吸入液を注入する。
3 内用のシロップ剤を投薬びんから採取する。
4 高カロリー輸液製剤にカリウム製剤を注入する。
5 洗浄用生理食塩液のプラスチックボトルから生理食塩液を採取する。
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問328
注射剤の調製及び使用に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 注射針の太さは、針管のゲージ番号が小さいほど細い。
2 輸液セットは、20滴/mLと60滴/mLの2種類の規格がある。
3 カットポイント付きのアンプルをカットする際には、カットポイントを手前に向ける。
4 孔径0.2μmの輸液フィルターは、ウイルスの除去を目的としている。
5 輸液容器のゴム栓を穿刺する際には、消毒用アルコール綿でのゴム栓の清拭は不要である。
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問329
以下の会話はショック状態で集中治療室に入室した患者に対して、医師と薬剤師が治療方針について協議している状況である。

医師「昨夜から意識レベルの低下を認めて、気管挿管を行いました。血圧は90前後です。CKDですのでCHDFを開始しようと思います。現在DICの状態です。DICに対してトロンボモデュリン アルファを使用します。透析患者の減量基準はありますか。」

薬剤師「腎機能に問題なければ、380U/kgを投与しますが、CHDF患者の場合は130U/kgを投与します。」

略語の意味の組合せとして正しいのはどれか。1つ選べ。

102回薬剤師国家試験一般問題(薬学実践問題)329
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問330
50歳女性。関節リウマチに対して、メトトレキサートで治療を開始した。6ヶ月間継続後、寛解の目標を達成できず、生物学的製剤の導入が検討された。関節リウマチに用いる生物学的製剤に関する記述のうち正しいのはどれか。2つ選べ。

1 いずれもTNF-α(腫瘍壊死因子-α)阻害薬である。
2 痛み、腫れを抑えるが、関節破壊の進行を抑えることはできない。
3 TNF-α阻害薬が奏功しない場合は、別のTNF-α阻害薬を用いてもよい。
4 いずれもメトトレキサートとの併用が必須である。
5 いずれも治療開始前に結核の既往歴を確認する。
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問331
53歳男性。頭頸部に扁平上皮がんが見つかり、以下のレジメンに従い化学療法を受けることになった。

102回薬剤師国家試験一般問題(薬学実践問題)331

この化学療法において用量規制因子でないのはどれか。1つ選べ。

1 腎障害
2 嘔吐
3 骨髄抑制
4 下痢
5 脱毛
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問332
73歳女性。再発非小細胞肺がんのため、ゲフィチニブ錠250mgを1日1回服用していたが、軽度の肝機能低下(AST 90U/L、ALT 63U/L、ALP 255U/L)が現れたため処方1が処方された。3週間後、血清カリウム値が3.2mEq/Lとなったため処方2が追加された。1ヶ月経っても血清カリウム値が3.1mEq/Lのままであるうえ、血圧が163/91mmHgとなったため、処方3が追加された。現在では、処方1~3すべてを服用している。

(処方1)
グリチルリチン酸一アンモニウム・グリシン・DL-メチオニン配合錠 1回2錠(1日6錠)
1日3回 朝昼夕食後

(処方2)
塩化カリウム徐放錠600mg 1回2錠(1日4錠)
1日2回 朝夕食後

(処方3)
オルメサルタン メドキソミル錠20mg 1回1錠(1日1錠)
1日1回 朝食後

女性が、だるくてむくみがあるといって、かかりつけ薬局を訪れた。薬剤師は、処方医に対して以下のような提案をした。提案として最も優先順位が高いのはどれか。1つ選べ。

1 グリチルリチン酸一アンモニウム・グリシン・DL-メチオニン配合錠の服用中止を提案する。
2 塩化カリウム徐放錠の服用中止を提案する。
3 オルメサルタンメドキソミル錠の服用中止を提案する。
4 スピロノラクトンの追加を提案する。
5 フロセミドの追加を提案する。
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問333
要指導医薬品に関する記述のうち、誤っているのはどれか。2つ選べ。

1 来局者が直接手に取れない場所に陳列する。
2 使用する者の年齢を確認しなければならない。
3 インターネットでの販売が可能である。
4 使用者と同居している家族であれば販売してもよい。
5 販売した際には、必要事項を書面に記載し、書面を2年間保存しなければならない。
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問334
患者情報の取扱いに関する記述のうち、薬剤師の対応として適切でないのはどれか。2つ選べ。

1 会社の上司を名乗る人物から処方内容について電話で問い合わせがあったため、患者本人の同意を得た後回答した。
2 当院に入院中の患者の薬物療法の相談をするため、他院に勤務する友人の薬剤師に診療録の写しを見せた。
3 患者が高齢の重度認知症のため、その患者家族に処方薬の説明及び指導を行った。
4 患者の氏名と使用医薬品名を記載したノートを製薬企業の学術担当者に見せて相談した。
5 事故で意識を失った患者が病院に運ばれてきたので、患者が所持していたお薬手帳の情報を担当医師に報告した。
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問335
2歳男児。体重13kg。以下の薬剤が処方され、カプセル剤を開封して調剤するよう処方医より指示があった。

(処方)
ダントロレンナトリウム水和物カプセル25mg 1回0.2カプセル(1日0.4カプセル)
1日2回 朝夕食後 14日分

1包あたり全量0.3gになるように賦形剤を加えて調剤する場合、この処方を全量調剤するために加える賦形剤の総量(g)として正しいのはどれか。1つ選べ。なお、ダントロレンナトリウム水和物カプセル1カプセルあたりの内容量は0.25gである。

1 1.4
2 2.8
3 4.2
4 5.6
5 7.0
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問336
アレルギー性鼻炎の持病がある高校生が海外の国際競技大会へ出場することになった。現在医療機関を受診しておらず、一般用医薬品などで様子を見ていた。海外の薬局にて一般用医薬品を購入する際に現地の薬剤師に相談できるように服用可能な薬を書いたメモを持たせることにした。下記に示す医薬品成分のうちアンチドーピングの観点から適切でないのはどれか。2つ選べ。なお、成分名の英文表記に誤りはないものとする。

1 d-Chlorpheniramine Maleate
2 Ebastine
3 Ibuprofen
4 Prednisolone
5 dl-Methylephedrine Hydrochloride
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問337
57歳女性。乾癬に罹患し、以下の処方により治療することになった。

(処方)
エトレチナートカプセル10mg 1回1カプセル(1日3カプセル)
1日3回 朝昼夕食後 14日分

ベタメタゾン酪酸プロピオン酸エステル軟膏0.05% 30g
1日1回 朝 患部に塗布

マキサカルシトール軟膏0.0025% 90g
1日2回 朝就寝前 患部に塗布

健康には気をつけており、日頃から以下の飲み物を常用している。以下の飲み物の中で、同時に摂取したときにこの処方薬の副作用の発現を高める可能性があるのはどれか。1つ選べ。

1 ミネラルウォーター
2 グレープフルーツジュース
3 牛乳
4 トマトジュース
5 青汁
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問338
50歳女性。体重50kg。激しい腹痛のため来院した。検査の結果、腹痛は小腸の炎症によるものと判明した。食事が摂れないため、エネルギー基質としてアミノ酸(3.0w/v%)及びブドウ糖(8.0w/v%)を含有する輸液を末梢静脈より投与することとなった。本製剤を1日あたり1,500mL投与するとき、患者の総エネルギー消費量(TEE)に対する総投与エネルギー量の割合(%)として最も近い値はどれか。1つ選べ。ただし、基礎エネルギー(BEE)は25kcal/kg/日で概算できるものとし、この患者の活動係数は1.2,ストレス係数は1.0とする。

1 15
2 30
3 45
4 60
5 75
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問339
後期高齢者で一人住まいの患者Aは、通院にヘルパーの介助が必要であった。最近、通院が困難になり、薬の服薬管理にも不安があるので、週1回の訪問薬剤管理指導の指示が処方医より出された。薬剤師が行う訪問薬剤管理指導の内容として適切でないのはどれか。2つ選べ。

1 訪問前に、薬学的管理指導計画をたてる。
2 患者の状態から介護度を決定し、介護保険被保険者証に記載する。
3 患者の生活状態に応じた服薬支援(剤形変更、簡易懸濁法など)を医師に提案する。
4 バイタルサインのチェックを行うには、医師の許可が必要となる。
5 在宅訪問の結果について、必要な情報を医師やケアマネージャーなどに報告する。
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問340
60歳男性。数年来、糖尿病治療のためクリニックを受診している。このたび、糖尿病の病態悪化の傾向があり、現在服用中の薬剤に1薬剤が追加され、処方箋をかかりつけの薬局へ持参した。薬剤師がお薬手帳で現在服用中の薬剤を確認し、窓口で患者と以下の会話があった。

(現在服用中の薬剤)
ボグリボース錠0.3mg 1回1錠(1日3錠)
1日3回 朝昼夕食直前 28日分

メトホルミン塩酸塩錠250mgMT 1回1錠(1日2錠)
1日2回 朝夕食直前 28日分

(薬剤師と患者との会話)
患者:糖尿の薬がまた増えました。今度の薬も1日3回、食前に飲む必要がありますか。
薬剤師:新しく出た薬は1日1回ですよ。食前に飲み忘れた時は食後でもいいですよ。
患者:どんな薬なのですか。注意することはありますか。
薬剤師:尿中に余分な糖を出すことで効果を発揮する薬です。今まで通り、低血糖症状に気をつけてください。それに追加して排尿時の違和感にも注意してください。尿量が増えることで喉が渇きやすくなるかもしれません。その時は水分補給を忘れないでください。

上記の会話から推測される糖尿病治療薬はどれか。1つ選べ。

1 グリベンクラミド
2 シタグリプチンリン酸塩水和物
3 ピオグリタゾン塩酸塩
4 イプラグリフロジン L-プロリン
5 ミチグリニドカルシウム水和物
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問341
48歳女性。非小細胞肺がん。以下の処方箋をかかりつけ薬局に持参した。

(処方1)
エルロチニブ塩酸塩錠150mg 1回1錠(1日1錠)
1日1回 朝食の2時間後 14日分

薬歴からこれまでは処方2の薬剤が3週間毎に処方されており、処方1は初めての処方であることを確認した。

(処方2)
ジフェンヒドラミン塩酸塩錠10mg 1回5錠
必要時 1回分(5錠)

レボフロキサシン錠500mg 1回1錠(1日1錠)
1日1回 朝食後 発熱時開始 5日分

ロキソプロフェンNa錠60mg 1回1錠
38℃以上の熱が出た時 5回分(5錠)

この患者の処方箋と薬歴情報について正しいのはどれか。2つ選べ。

1 今回の処方薬は、他の化学療法施行後に開始された薬剤である。
2 血小板減少による発熱が出現していた可能性がある。
3 息切れ、咳などのかぜの様な症状がでても自然におさまることを伝える。
4 発疹、皮膚の乾燥やかゆみが出現する可能性があることを伝える。
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問342
2歳3ヶ月女児。体重12kg。湿性咳嗽に対して以下の処方箋が発行され、母親が薬局に持参した。当該薬局の調剤内規では「1回の服用量が整数値となるように精製水を最小量加える」となっている。

(処方)
カルボシステインシロップ5% 1回120mg(1日360mg)【原薬量】
プロカテロール塩酸塩シロップ0.0005% 1回15μg(1日45μg)【原薬量】
上記を混合して1剤とする。
1日3回 朝昼夕食後 3日分

1回の服用量として正しいのはどれか。1つ選べ。

1 4mL
2 6mL
3 8mL
4 10mL
5 12mL
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問343
ある医薬品について患者向け説明文書を作成するため、承認時の審査報告書を調べたところ、次のような記載が見つかった。

Ⅳ.総合評価
高用量(125mg/日)ではあるものの本剤単独投与で汎血球減少症による死亡例が発現しており、肝機能障害、胃腸障害等も高頻度に発現していること(-中略-)等を踏まえると、本剤の臨床使用に当たっては十分な安全対策を講じる必要があり、製造販売後調査において本剤の安全性を引き続き慎重に検討する必要があると考える。(一部抜粋)

患者向け説明文書中「このような症状が現れたときには、すぐに医師または薬剤師に連絡してください」の項目に記載する必要があるのはどれか。1つ選べ。

1 手足がしびれる、手足の皮膚が硬くなる、爪が変形する。
2 息が切れる、めまいがする、のどが痛い、鼻血がでる、青あざができる。
3 尿が少なくなる、尿がでない、むくみがある、体がだるい、発疹。
4 のどがかわく、水分をたくさん摂ってしまう、尿の量が多い、体重が減る。
5 ぼんやりする、手足がふるえる、日がちらつく、ふらつく、冷や汗がでる。
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問344
63歳男性。青緑色の吐物を嘔吐し、救急病院に搬送された。医師が家族から状況を聞くと、この男性は認知症であり、買い置きしておいたホウ酸団子をお菓子と間違えて3個食べてしまったという。この男性がホウ酸団子を食べてから5時間以上が経っている。

ホウ酸団子とは、ホウ酸にタマネギ、小麦粉、砂糖、牛乳を加えてつくるゴキブリ駆除剤であり、1個あたり、約3gのホウ酸を含有している。担当医師から薬剤師に解毒方法を急いで調べてほしいとの連絡があった。

薬剤師が調べたホウ酸についての情報は以下の通りである。
【中毒量・致死量】
中毒量:成人1~3g
経口致死量:成人15~30g

【体内動態】
ホウ酸は、経口摂取後消化管から1時間以内にほとんどが吸収される。吸収後24時間で約50%が、96時間で90%以上が未変化体として尿中に排泄される。分布容積は小さく、血漿タンパク質にほとんど結合しない。
この男性に最も有効と考えられる処置法はどれか。1つ選べ。

1 胃洗浄
2 活性炭の投与
3 プラリドキシムヨウ化物(PAM)の投与
4 クエン酸マグネシウムの投与
5 血液透析
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問345
病棟において薬剤師が看護師よりメナテトレノン静注製剤の保管取扱いについて注意事項を教えてほしいと依頼された。医薬品インタビューフォームを調べたところ、表に示す安定性試験のデータが記載されていた。

102回薬剤師国家試験一般問題(薬学実践問題)345

メナテトレノン静注製剤の保管取扱いについて正しいのはどれか。2つ選べ。

1 LPEを開封しない状態で保管する。
2 褐色アンプルのみの状態では、光分解による含量低下は起こらない。
3 シリンジを用いて静注する場合は、採取後3時間以内に行う。
4 点滴静注により持続投与を行う場合は、遮光カバーを用いる。
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第102回薬剤師国家試験問題

102回薬剤師国家試験(全問)
102回薬剤師国家試験【必修問題】問1~問90
102回薬剤師国家試験【一般問題(薬学理論問題)】 問91~問150
102回薬剤師国家試験【一般問題(薬学理論問題)】問151~問195
102回薬剤師国家試験【一般問題(薬学実践問題)】問196~問245
102回薬剤師国家試験【一般問題(薬学実践問題)】問246~問285
102回薬剤師国家試験【一般問題(薬学実践問題)】問286~問345

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