問220−221
48歳女性。既往歴 乳がん、StageⅠ。2年前の術後より再発予防の目的で以下の処方にてホルモン療法を受けている。

103回薬剤師試験 薬学実践問題 問220-221

問220(物理・化学・生物)
タモキシフェンの代謝に関わるCYP2D6 には、その酵素活性に変化をきたす遺伝子多型が多数知られている。図はその一部の多型と乳がん術後タモキシフェンの単剤治療症例における無再発生存率との関連性を示している。遺伝子多型に関する記述及び図の解釈として、誤っているのはどれか。1つ選べ。

103回薬剤師試験 薬学実践問題 問220

1 遺伝子多型には、1つの塩基が他の塩基に置き換わっているものがある。
2 翻訳されるタンパク質のアミノ酸配列は、翻訳領域においてフレームシフト変異した遺伝子とその野生型遺伝子では異なる。
3 PCR 法を利用することで、CYP2D6 の遺伝子変異を検出することができる。
4 変異型遺伝子をホモでもつ症例[CYP2D6(*10/*10)]では、野生型遺伝子をホモでもつ症例[CYP2D6(wt/wt)]と比べて、タモキシフェンの代謝が減弱していると考察される。
5 CYP2D6(*10/*10)の症例では、タモキシフェンによる抗腫瘍効果が増強していると考察される。
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問221(実務)
この患者は、最近、精神的に不安定となり、不安発作が頻回になった。本症状の改善のための処方追加を検討するにあたり、タモキシフェンとの併用の観点から問題となる薬物について医師から問い合わせがあった。本症例に対して併用を注意すべき薬物はどれか。1つ選べ。

1 セチプチリンマレイン酸塩
2 ミルナシプラン塩酸塩
3 パロキセチン塩酸塩水和物
4 ロラゼパム
5 ロルメタゼパム
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問222−225
50歳男性。薬局に処方箋とお薬手帳を持参した。初回面談の際、屋外でのスポーツやレジャーに使用する日焼け止めの相談があった。この男性は、今まで日焼け止めを使用したことがなく、海水浴の後は肌が赤くなり、ほてりや痛みを感じ、水疱ができるとのことであった。

問222(実務)
紫外線が皮膚に及ぼす影響を考慮し、薬剤師がこの男性に説明する内容として、適切でないのはどれか。1つ選べ。なお、薬局では下記の商品①~④を取りそろえている。SPF(Sun Protection Factor)及びPA(Protection Grade of UVA)は紫外線防止の指標であり、その効果を数字及び記号(+)で表している。

103回薬剤師試験 薬学実践問題 問222

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問223(物理・化学・生物)
この男性が海水浴の際に経験した皮膚症状を含め、日焼けに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 海水浴後に生じる紅斑には、炎症性メディエーターによる血管収縮が関わる。
2 紫外線曝露による色素沈着は、主として肥満細胞におけるメラニンの産生増強による。
3 メラニンは、チロシンから生合成される。
4 色素沈着は、通常、紅斑・水疱が生じる前に起こる。
5 紫外線曝露は、DNA 鎖上にピリミジン二量体を生じさせる。
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問224(実務)
この男性が持参したお薬手帳には、ケトプロフェンにて光線過敏症を起こしたことがあるとの記載があった。この男性が持参した処方箋に1 ~ 5 のいずれかの薬剤が記載されていた場合に、ケトプロフェンと同様に光線過敏症を引き起こす可能性があり、注意を要する医薬品はどれか。1つ選べ。

103回薬剤師試験 薬学実践問題 問224
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問225(衛生)
光線過敏症に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 すべての光線過敏症は、ガラス窓の内側にいれば防ぐことができる。
2 春先に採取されるアワビの中腸腺には、光線過敏症の原因となるフェオフォルビドが蓄積することがある。
3 光線過敏症は、宇宙から地上に降り注いでいるUVC が主原因である。
4 ケトプロフェンによる光線過敏症では、光エネルギーにより薬剤中のベンゾフェノン部分が反応し、抗原物質になると考えられる。
5 着色料の二酸化チタンは光線過敏症を起こすので、現在食品添加物として使用されていない。
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