2018年(平成30年)第103回薬剤師試験 実践問題【問246~問285】

一般問題(薬学実践問題)【薬理、薬剤/実務】

問246−247
66歳男性。内科で処方された以下の薬剤(処方1 、2 )を指示通りに服用していた。別の病院の泌尿器科を受診し、前立腺肥大症と診断された。泌尿器科で処方された前立腺肥大症治療薬を自宅で服用したところ、ひどい立ちくらみが起こり救急車で搬送され、血圧降下が原因と診断された。

103回薬剤師試験 薬学実践問題 問246-247
問246(実務)
泌尿器科から処方された前立腺肥大症治療薬で、上記処方薬との併用で強い血圧降下の原因となった可能性があるのはどれか、1つ選べ。

1 ナフトピジル
2 デュタステリド
3 アリルエストレノール
4 セルニチンポーレンエキス
5 ビカルタミド
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問247(薬理)
この患者で立ちくらみの原因となった薬の作用点はどれか。2つ選べ。

1 アドレナリンα1 受容体
2 アンギオテンシンⅡAT1 受容体
3 H⁺,K⁺-ATPase
4 シクロオキシゲナーゼ
5 アンドロゲン受容体
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問248−249
62歳女性。毎日午前1時に就寝し、午前6 時に起床する規則的な生活をしている。最近寝付きが悪い日が続いた。薬局で睡眠改善薬の一般用医薬品を購入して服用したが、改善されなかった。そこで専門医を受診し、すぐに眠れて朝すっきり起きられるような薬を希望し、睡眠薬が処方されることになった。

問248(実務)
処方される薬剤として最も適切なのはどれか。1つ選べ。

1 アモバルビタール錠
2 スボレキサント錠
3 エスタゾラム錠
4 フルニトラゼパム錠
5 ゾルピデム酒石酸塩錠
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問249(薬理)
前問の選択肢1 ~ 5 に挙げた薬物の作用機序に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 視床下部のヒスタミン作動性神経を抑制する。
2 大脳辺縁系に分布するγ-アミノ酪酸GABAA 受容体のベンゾジアゼピン結合部位に結合し、GABAA 受容体のGABA に対する親和性を高める。
3 視交叉上核に分布するメラトニン受容体を刺激する。
4 脳幹網様体に分布するγ-アミノ酪酸GABAA 受容体のGABA 結合部位に結合し、GABAA 受容体の機能を亢進する。
5 オレキシン受容体を遮断することで脳内におけるモノアミン神経系を抑制する。
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問250−251
45歳男性。「最近、肩こりや腰痛がひどく、寝付きも悪く、しだいに朝起きるのがつらくなった。不安感が強く、仕事が楽しいと感じることもなくなり、職場に行くことが苦痛である。」と訴え心療内科を受診し、以下の処方箋を持って薬局を訪れた。

103回薬剤師試験 薬学実践問題 問251-252

問250(実務)
薬剤師の服薬指導の内容として、適切なのはどれか。2つ選べ。

1 眼圧低下が起こることがありますので、物がひずんで見えたり、視野が暗くなったりしたら、すぐに薬剤師に相談してください。
2 立ち上がる際は、ゆっくりと立ち上がり、めまいやふらつきに注意してください。
3 薬の影響で、尿や汗に赤い色がつくことがあります。
4 自動車の運転等の危険を伴う機械の操作は避けてください。
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問251(薬理)
1週間後、以下の処方3が追加された処方箋を持って、再度薬局を訪れた。
103回薬剤師試験 薬学実践問題 問251
この患者が服用している薬剤の中に追加薬剤と併用禁忌のものが2つあるため、処方を追加した医師に疑義照会を行った。併用によって生じる副作用に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 アドレナリンα2 受容体が過剰に刺激され、著しい血圧低下が現れる。
2 Ca²⁺ チャネルが過剰に阻害され、著しい血圧上昇が現れる。
3 γ-アミノ酪酸GABAA 受容体が過剰に活性化され、著しい筋弛緩作用が現れる。
4 メラトニン受容体が過剰に刺激され、催眠作用が著しく増強される。
5 HMG-CoA 還元酵素が過剰に阻害され、横絞筋融解症の発症リスクが高まる。
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問252−253
76歳女性。狭心症。大学病院の紹介で、自宅近くの診療所を初めて受診し、以下の処方箋を薬局に持参した。薬剤師が、初回来局である患者の聞き取りを行ったところ、歯科治療中であった。

103回薬剤師試験 薬学実践問題 問252-253
問252(実務)
薬剤師がこの患者に行う指導として、適切なのはどれか。2つ選べ。

1 咳が続く時は、医師又は薬剤師に相談してください。
2 テープ剤は、必ず心臓の真上に貼ってください。
3 抜歯の際は、ボノプラザンフマル酸錠の服用を中止してください。
4 頭痛、立ちくらみが起こることがあるので注意してください。
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問253(薬理)
処方された薬物のうち、サイクリックGMP(cGMP)依存性プロテインキナーゼを活性化して血管拡張作用を示すのはどれか。2つ選べ。

1 リシノプリル
2 アスピリン
3 ジルチアゼム
4 ニコランジル
5 硝酸イソソルビド
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問254−255
42歳女性。食後、みぞおちに差し込むような痛みが続いたため内科を受診し、胆石症による痛みと診断された。

問254(実務)
この患者の治療薬として適切なのはどれか。2つ選べ。

1 ウルソデオキシコール酸
2 カモスタットメシル酸塩
3 ランソプラゾール
4 フロプロピオン
5 シメチジン
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問255(薬理)
前問で適切と考えられた薬物の作用機序に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 胆石表面のコレステロールをミセル化することで胆石を溶解する。
2 胆嚢からの胆汁排泄を抑制する。
3 カテコール-o-メチルトランスフェラーゼ(COMT)を阻害することでOddi括約筋を弛緩させる。
4 タンパク質分解酵素を阻害する。
5 H⁺,K⁺-ATPase を阻害する。
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256−257
50歳女性。頻尿、排尿痛があり泌尿器科を受診し、尿道炎と診断され処方(処方1 )が出された。同日、歯科にて抜歯し処方(処方2 )が出され、近くの薬局にて処方1 と2 の薬を受け取った。4日後薬局に電話をかけ、「もらった薬は決められたように飲んでいる。痛み止めは昨日まで7回飲んだ。昨日から太ももが痛く、今日は、手足がだるく、足に力が入らず歩けないため仕事を休んだ。このまま薬を服用していいか。」と相談した。来局時、お薬手帳は持参しておらず、聞き取りでは「薬の名前は覚えていないが、他の薬局でもらった骨の薬と、コレステロールの薬と、胃薬を飲んでいる。」とのことであった。そこで、薬剤師が電話口でこの女性にお薬手帳を確認してもらったところ、₁ 年ほど前から他の薬局にて調剤された薬剤を継続服用していることが明らかになった。薬剤師は薬物相互作用を疑い、直ちに処方医に連絡をした。

103回薬剤師試験 薬学実践問題 問256-257

問256(薬理)
次の作用様式のうち、この患者が服用した5 つの薬物のいずれかの作用機序に当てはまるのはどれか。2つ選べ。

1 核内受容体刺激
2 G タンパク共役型受容体遮断
3 DNA 複製阻害
4 細菌のリボソームでのタンパク質合成阻害
5 タンパク分解酵素阻害
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問257(実務)
薬剤師が薬物相互作用の原因と考えた薬剤はどれか。2つ選べ。
1 アルファカルシドールカプセル
2 ポラプレジンク口腔内崩壊錠
3 シンバスタチン錠
4 クラリスロマイシン錠
5 ロキソプロフェンナトリウム水和物錠
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問258−259
71歳男性。3年前に慢性閉塞性動脈硬化症と診断されたが、自覚症状は無く弾性靴下によるフットケアと運動療法を行っていた。最近、痛みと跛行が出てきたので、薬物療法も実施することとなった。患者は爪白癬治療のためイトラコナゾールを服用中である。

問258(実務)
この患者の治療薬として適切でないのはどれか。1つ選べ。

1 アルプロスタジル
2 ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩
3 サルポグレラート塩酸塩
4 チクロピジン塩酸塩
5 イコサペント酸エチル
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問259(薬理)
前問の選択肢1 ~ 5 に挙げた薬物の作用機序に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 セロトニン5-HT1 受容体を遮断する。
2 アンチトロンビン非依存的に血液凝固第Xa 因子を抑制する。
3 トロンボキサンA2 の産生を抑制する。
4 血小板におけるサイクリックAMP(cAMP)の分解を抑制する。
5 血小板におけるcAMP の産生を促進する。
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問260−261
35歳女性。体重55 kg。C 型慢性肝炎と診断され、治療開始となった。ペグインターフェロンアルファ-2a(週1回皮下注射)での治療が開始され、以下の処方が出された。

103回薬剤師試験 薬学実践問題 問260-261

問260(薬理)
この患者に使用する治療薬のC 型肝炎ウイルスに対する作用機序として正しいのはどれか。2つ選べ。

1 NS5B ポリメラーゼを阻害する。
2 NS3/4A プロテアーゼを阻害する。
3 RNA 依存性RNA ポリメラーゼを阻害する。
4 DNA ポリメラーゼを阻害する。
5 逆転写酵素を阻害する。
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問261(実務)
薬剤師が患者に対して指導・説明する内容として適切なのはどれか。2つ選べ。

1 眠れない、食欲がない、意欲がないなどの症状が出たら、医師又は薬剤師に申し出てください。
2 熱が出たら、市販の解熱薬を服用し、様子を見てください。
3 朝食後飲み忘れた場合は、その日の夕食後服用分と合わせて、夕食後に服用してください。
4 催奇形性がある薬が含まれているので、避妊してください。

問262−265
78歳女性。関節リウマチのためメトトレキサートを服用中。病棟での薬剤管理指導の面談で、最近疲れやすく、口内炎がひどいとの訴えがあった。

データ: AST 90 U/L、ALT 75 U/L、MCV 105 fL、白血球数1 , 300/nL、血小板数30,000/uL

問262(実務)
医師に対して、この患者への投与を提案する薬剤として最も適切なのはどれか。1つ選べ。

1 ホリナートカルシウム錠
2 トファシチニブクエン酸塩錠
3 デキサメタゾン錠
4 エポエチンアルファ(遺伝子組換え)注射液
5 タクロリムス水和物カプセル
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問263(薬理)
前問で適切と考えられた薬物の作用機序として正しいのはどれか。1つ選べ。

1 カルシニューリンを阻害し、インターロイキンなどのサイトカイン産生を抑制する。
2 細胞内に取り込まれて活性型葉酸となり、核酸合成を再開させる。
3 赤芽球前駆細胞に作用し、赤血球への分化増殖を促進する。
4 ヤヌスキナーゼ(JAK)を阻害し、免疫反応を抑制する。
5 細胞内のグルココルチコイド受容体と複合体を形成し、抗炎症作用を示す。
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問264(実務)
その後、発熱、乾性咳嗽、息切れがあるとの訴えがあり、検査の結果、メトトレキサートが原因の間質性肺炎が疑われた。医師に対して、この患者への投与を提案する薬剤として最も適切なのはどれか。1つ選べ。

1 ピルフェニドン錠
2 テルブタリン硫酸塩錠
3 インフリキシマブ(遺伝子組換え)点滴静注
4 デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物錠
5 プレドニゾロン錠
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問265(薬理)
前問で適切と考えられた薬物の薬理作用として正しいのはどれか。1つ選べ。

1 TNF-α(腫瘍壊死因子-α)を捕捉する。
2 咳中枢に作用して咳嗽反射閾値を上昇させる。
3 気管支平滑筋のG タンパク共役型受容体を刺激する。
4 細胞質において受容体と結合し、この複合体が核内へ移行した後に転写活性を変化させる。
5 TGF-β(トランスフォーミング増殖因子-β)を捕捉する。
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問266−269
55歳男性。10年前に2型糖尿病と診断され、生活習慣の改善とナテグリニドの服用を開始した。5年前にHbA1c 値が8.4%まで上昇したため、メトホルミン塩酸塩が追加され、その後増量されて以下の処方となった。

103回薬剤師試験 薬学実践問題 問266-269

問266(実務)
処方1に対して、特に注意すべき副作用の初期症状はどれか。2つ選べ

1 尿路感染症による排尿痛
2 メラニンの過剰生成による色素沈着
3 心機能低下による下肢の浮腫
4 乳酸アシドーシスによる全身倦怠感、過呼吸
5 低血糖によるめまい、ふらつき
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問267(薬剤)
各グラフの実線は、ナテグリニド錠を食直前に服用した際の血漿中濃度推移を表す。本剤を食直後に服用した場合、予想される血漿中濃度推移(破線)を表す最も適切なグラフはどれか。1つ選べ。

103回薬剤師試験 薬学実践問題 問267
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問268(実務)
この患者は、処方1 による治療を行っていたが、血糖コントロール不良状態が3 ヶ月続いたため、以下のインスリン製剤を追加することになった。

103回薬剤師試験 薬学実践問題 問268
この患者に対する服薬指導に関する記述のうち、適切なのはどれか。2つ選べ。

1 インスリン デテミルが追加になりましたので、これまで処方されていたナテグリニドの服用は中止になります。
2 膵臓のインスリン分泌能がなくなってしまったため、インスリン製剤が必要となりました。
3 なるべく同じ部位で、少しずつずらした場所に注射してください。
4 体重増加しやすくなりますので、食事・運動療法をしっかり行いましょう。
5 インスリン デテミルは基礎インスリンを補充するものなので、低血糖に注意
する必要はありません。
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問269(薬剤)
インスリン デテミルに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 速効型のインスリン製剤である。
2 皮下注射後、等電点沈殿に伴い微結晶になり、ゆっくりと溶解して血中に移行する。
3 ヒトインスリンにミリスチン酸基を付加し、血漿中のアルブミンとの結合を利用して作用の持続化を図っている。
4 投与ごとの血糖降下作用のばらつきが少なく、安定した血糖コントロールが期待できる。
5 等張化剤としてD-グルコースが用いられている。
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問270−271
23歳男性。幼児期に喘息と診断され、総合病院の呼吸器内科でテオフィリンが処方され、継続的に服用している。最近、体調を崩し、近所の内科を受診したところ、マイコプラズマ肺炎と診断され、以下の薬剤が投薬された。服用を始めて2日後、男性は夜中に眠れなくなったので、薬剤情報提供書を薬局に持参してかかりつけ薬剤師に相談した。

103回薬剤師試験 薬学実践問題 問270-271

問270(実務)
相談された薬剤師は、テオフィリンとの薬物相互作用による副作用を疑い、内科医に疑義照会した。その際、薬剤師が変更を提案すべき薬剤はどれか。1つ選べ。

1 シプロフロキサシン錠
2 カルボシステイン錠
3 アンブロキソール塩酸塩錠
4 チペピジンヒベンズ酸塩錠
5 モンテルカスト錠
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問271(薬剤)
前問における薬物相互作用の機序として正しいのはどれか。1つ選べ。

1 CYP1A2 の阻害
2 CYP3A4 の誘導
3 有機カチオントランスポーターの阻害
4 P-糖タンパク質の阻害
5 キレートの形成
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問272−273
76歳男性。1 年前より心房細動にて内科を受診してワルファリンを服用しており、その処方は以下のとおりであった。朝食後に忘れず服用していること、他科受診及び併用薬はないこと、納豆は食べていないことを薬剤の交付時に確認していた。
103回薬剤師試験 薬学実践問題 問272-273
本日、本人が妻と一緒に処方箋を持って薬局を訪れた。処方箋を確認したところ、1 回2 錠から1 回4 錠に増量となっていた。本人によると、血液検査の結果が悪かったため、増量になったとのことであった。また、妻によると、1 ヶ月半前から毎食前にジュースを作って飲ませているとの話であった。

問272(実務)
ジュースについて確認したところ、次の食材が含まれているとのことだった。薬剤が増量になった原因として考えられる食材はどれか。1つ選べ。

1 グレープフルーツ
2 ニンジン
3 ブルーベリー
4 ホウレンソウ
5 ヨーグルト
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問273(薬剤)
前問と同じメカニズムによる相互作用の例として、適切なのはどれか。1つ選べ。

1 リファンピシンは、ワルファリンの肝取り込みトランスポーターを阻害する。
2 ミコナゾールは、CYP2C9 を誘導してワルファリンの代謝速度を上昇させる。
3 メナテトレノンは、ワルファリンによる血液凝固因子の生合成阻害作用と拮抗する。
4 アスピリンは、ワルファリンによる血小板凝集抑制作用と拮抗する。
5 コレスチラミンは、腸管内でワルファリンを吸着することで吸収を阻害する。
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問274−275
50歳男性。体重70 kg。血清アルブミン値4.1 g/dL、血清クレアチニン値2.0 mg/dL。重症のMRSA 院内感染によりバンコマイシン塩酸塩を1 日1 回間欠点滴投与することになった。初回は負荷投与する予定である。この患者におけるバンコマイシンの分布容積は0.7 L/kg、半減期は24 時間と見積もられている。血液培養の結果、バンコマイシンによる最小発育阻止濃度(MIC)は1.0 ug/mL であった。

問274(実務)
バンコマイシン塩酸塩による治療及びTDM に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 この患者では、腎機能の低下により、半減期が延長している。
2 肝毒性の発現を回避するため、バンコマイシンのトラフ値は20ug/mL 以下にすることが推奨されている。
3 治療効果の指標として、最高血中濃度/MIC を用いる。
4 レッドネック症候群を予防するために、1 時間以上かけて点滴する。
5 この患者では、アルブミンが大量に尿中へ漏出しているため、タンパク結合率が低下している。
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問275(薬剤)
2回目投与直前のバンコマイシンの血中濃度が₁10ug/mL となることを想定し、バンコマイシン塩酸塩の初回負荷投与を行いたい。また、定常状態におけるトラフ値を15ug/mL としたい。バンコマイシンの負荷投与量と維持投与量の組合せとして適切なのはどれか。1つ選べ。ただし、投与量の計算において、投与に要する時間は投与間隔に対して無視できるほど短いものとし、投与中における体内からのバンコマイシンの消失は無視できるものとする。

負荷投与量(g)維持投与量(g)
10.750.25
20.750.50
31.000.50
41.000.75
51.250.75
61.251.00

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問276−277
69歳男性。7 年前から高血圧と糖尿病のため、エナラプリルマレイン酸塩、メトホルミン塩酸塩及びグリメピリドを服用している。これまで特に問題なく過ごしていたが、最近、動悸を感じるようになり病院を受診した。心電図から心房細動と診断され、以下の薬剤が追加処方された。
103回薬剤師試験 薬学実践問題 問276-277
なお、患者の身体所見及び検査値などは次のとおり。身長176cm、体重72kg、血圧148/93 mmHg、体温37.0 ℃、心拍数161 回/min(不規則)、呼吸数15 回/min、BUN 21 mg/dL、Scr 1.5 mg/dL、Ccr 42 mL/min、AST 14 U/L、ALT 16 U/L

問276(実務)
この患者の薬物治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 処方1 の主目的は、血圧を十分に低下させることである。
2 脈拍が不規則なので、プロプラノロール塩酸塩の処方を提案する必要がある。
3 処方2 の代替薬の1つにリバーロキサバンがある。
4 処方2 は心原性脳梗塞の予防目的で処方されている。
5 PT-INR 値が2.0~3.0 になっているか、モニタリングが必要である。
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問277(薬剤)
薬剤師は、処方2 について減量を考慮すべきと判断した。その理由として適切なのはどれか。2つ選べ。

1 ベラパミル塩酸塩との併用により、P-糖タンパク質が阻害され、消化管吸収が増大するため。
2 メトホルミン塩酸塩との併用により、尿細管分泌が抑制され、血中からの消失が遅延するため。
3 腎排泄能力の低下により、血中からの消失が遅延するため。
4 グリメピリドとの併用により、CYP2C9 による代謝が低下し、血中からの消失が遅延するため。
5 肝代謝能力の低下により、血中からの消失が遅延するため。
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問278−279
36歳女性。腎移植目的で入院となった。移植に伴いサンディミュン®カプセル、ミコフェノール酸モフェチルカプセル、メチルプレドニゾロン錠を術前より内服することとなり、担当薬剤師が指導を開始した。移植手術は無事に終了し医師の指示によりサンディミュン®カプセルをネオーラル®カプセルに切り替えることになり、引き続き担当薬剤師が指導を継続することになった。

注:サンディミュン®カプセル:シクロスポリンの油性製剤
ネオーラル®カプセル:シクロスポリンの自己乳化型マイクロエマルション製剤

問278(実務)
薬剤師がこの患者に行う術前、術後の服薬指導として、適切でないのはどれか。2つ選べ。

1 これらの薬を飲んでいる間は、こまめに手洗いをしてください。
2 抵抗力が下がり、感染症にかかりやすくなるので、麻疹や風疹などのワクチン接種をしておきましょう。
3 シクロスポリンは血液中の薬の濃度を測りながら服用する量を決めますので、血液検査が多くなります。
4 グレープフルーツジュースはシクロスポリンの効果を弱めてしまいますので、飲まないでください。
5 薬を切り替える時には副作用がでることがありますので、気になることがあれば言ってください。
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問279(薬剤)
術前に服用していたシクロスポリンの油性製剤と術後に処方された自己乳化型マイクロエマルション製剤の特徴に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 自己乳化型マイクロエマルション製剤の方が、バイオアベイラビリティが高い。
2 いずれも消化管液中でw/o 型エマルションが形成される。
3 自己乳化型マイクロエマルション製剤の方が、薬の吸収に対する食事の影響が小さい。
4 自己乳化型マイクロエマルション製剤の方が、油相と水相の間の界面張力が大きいため、液滴が微細化される。
5 シクロスポリンは水溶性が高いため、主にエマルションの水相に分配する。
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問280−281
86歳女性。骨粗しょう症で整形外科を受診し薬物治療を受けている。服用している薬剤は以下のとおりであった。

103回薬剤師試験 薬学実践問題 問280-281
問280(実務)
処方箋を受け取った薬剤師は、すでに服用している錠剤の基本的な服用法を患者に対して再確認した。次に、このゼリー剤で注意することについて、新たに追加説明を行うことにした。その追加の内容として適切なのはどれか。1つ選べ。

1 起床してすぐにコップ一杯の水で服用すること。
2 口の中で噛んだり、溶かしたりしないこと。
3 服用後、少なくとも30分たってから食事を摂ること。
4 低温(冷蔵庫など)を避けて保存すること。
5 カルシウムやマグネシウム等の含量が特に高い飲料で服用しないこと。
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問281(薬剤)
本経口ゼリー剤の添加剤に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。なお、本経口ゼリー剤には、添加剤としてカラギーナン、ローカストビーンガム、ポリアクリル酸ナトリウム、グリセリン、D-ソルビトール、クエン酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸プロピルが含まれる。

1 カラギーナンは、種類によってカルシウムイオンやカリウムイオンでゲル化するものがある。
2 ローカストビーンガムは、保存剤として添加されている。
3 ポリアクリル酸ナトリウムは、主薬の酸化に対する安定性を高める。
4 クエン酸ナトリウムは、乳化剤として添加されている。
5 パラオキシ安息香酸プロピルは、増粘剤として添加されている。
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問282−283
2歳男児。夕方に発熱があり、同時に痙れんが起こったので近所の小児科を受診した。その後、母親が処方箋を薬局に持参した。その処方内容は以下のとおりであった。

103回薬剤師試験 薬学実践問題 問282-283

問282(実務)
薬剤師が坐剤の使用経験を確認したところ、坐剤の併用は初めてとのことであった。そこで、この2 種類の坐剤の併用方法について説明した。その内容として適切なのはどれか。1つ選べ。

1 アセトアミノフェン坐剤を先に挿入し、熱が下がってからジアゼパム坐剤を挿入してください。
2 ジアゼパム坐剤を先に挿入し、3 ~ 5 分ほどしてからアセトアミノフェン坐剤を挿入してください。
3 アセトアミノフェン坐剤を先に挿入し、3 ~ 5 分ほどしてからジアゼパム坐剤を挿入してください。
4 ジアゼパム坐剤を先に挿入し、30 分以上してからアセトアミノフェン坐剤を挿入してください。
5 アセトアミノフェン坐剤を先に挿入し、30 分以上してからジアゼパム坐剤を挿入してください。
6 アセトアミノフェン坐剤を挿入したら、直ちにジアゼパム坐剤を挿入してください。
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問283(薬剤)
前問の投与順を選択した理由として適切なのはどれか。1つ選べ。

1 アセトアミノフェン坐剤とジアゼパム坐剤を同時に投与すると、直腸内で両主薬の溶解度が上昇し、吸収量が増加する。
2 アセトアミノフェン坐剤とジアゼパム坐剤を同時に投与すると、主薬間で不溶性の複合体を形成し、吸収量が減少する。
3 ジアゼパム坐剤を先に投与すると、アセトアミノフェンがマクロゴールに分配し、吸収量が減少する。
4 アセトアミノフェン坐剤を先に投与すると、ジアゼパムがハードファットに分配し、吸収量が減少する。
5 マクロゴールによってハードファットが不溶化し、アセトアミノフェンの溶出量が減少する。
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問284−285
52歳男性。食道がんの手術後に完全静脈栄養による治療を受けていた。ビタミンB1 不足による乳酸アシドーシスの疑いでチアミン塩化物塩酸塩を急速静注したが、効果が不十分であったため7 %炭酸水素ナトリウム注射液40 mL を輸液500 mL に混合して点滴投与する予定である。

問284(薬剤)
2 種以上の注射剤・輸液剤を混合する際に生じる配合変化について、誤っているのはどれか。1つ選べ。

1 ある特定のイオンの存在で沈殿を生じることがある。
2 pH の異なる注射剤を混合する場合は、製剤中の主薬の溶解性が低下することがある。
3 溶解補助剤を使用した難水溶性の薬剤を含む注射剤は、輸液剤で希釈すれば主薬の析出を回避できる。
4 コロイドを含む注射剤と電解質輸液を混合すると、コロイドが凝集することがある。
5 糖とアミノ酸を含む輸液を混合すると、褐色に着色することがある。
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問285(実務)
表は、各輸液の成分濃度を示している。炭酸水素ナトリウム注射液との混合で、配合変化が生じる可能性が最も高い輸液剤はどれか。1つ選べ。ただし、電解質の濃度はmEq/L、ブドウ糖の濃度はw/v%である。
103回薬剤師試験 薬学実践問題 問285
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第103回薬剤師国家試験問題

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